ももこは「桃」が食べられません…
ももこは「桃」が食べられません…🍑
〜花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)のお話〜
こんにちは。
夏といえば…そう、桃が美味しい季節ですね。
みずみずしくて甘くて、あの香り…私も昔は本当に大好きでした。
そのまま食べるのはもちろん、以前、おしゃれな友人に教えてもらった「冷製の桃のパスタ」に感動したこともあります。
(見た目も味も最高なんです!)
でも実は私、もう桃をあまり食べられません…。


レストランなどで「アレルギーはありますか?」と聞かれると、
「加熱していない桃は食べられません…」と説明しなければいけなくて、
「桃子さんなのに、桃がダメなんですね」と言われることも(苦笑)
実はこれ、れっきとしたアレルギーのひとつなんです。
🍑食べたあとに「喉や耳がかゆい」…
それ、PFASかもしれません
研修医の頃から、桃を食べるとなんとなく「口の中がかゆい」「耳の中がムズムズする」ような感覚がありました。
それでも、我慢できる範囲だったので、あまり気にせず食べていたのですが…
皮膚科医になって2年目の夏、家族が美味しい桃をおすそ分けしてくれて、「ちょっと痒くなるけど…」と油断してパクパク食べたところ、
喉の奥が猛烈にかゆい!
耳の中もボワ〜っとかゆい!
「これはさすがにヤバい」と思い、先輩医師の外来で検査を受けた結果——
診断は「PFAS(花粉-食物アレルギー症候群)」でした。
★PFAS(花粉-食物アレルギー症候群)とは?
PFASは「口腔アレルギー症候群(OAS)」とも呼ばれ、
果物や野菜を食べたあとに、口の中や喉、耳の中などがかゆくなるアレルギー反応です。
特に「花粉症」を持っている人に起こりやすいとされています。
たとえば、カバノキ科(シラカンバやハンノキなど)の花粉症の方は、
バラ科の果物(リンゴ・サクランボ・桃など)を生で食べると、口や喉の粘膜にアレルギー症状が出やすいといわれています。
ちなみに、果物に含まれるアレルゲンは「加熱」で弱くなることが多いため、
ジャムやコンポートなどの加工品は食べられるケースもあります。私も火が通っている桃は食べられます😊
◎アレルギー診療へのきっかけに
この経験を通じて、「皮膚科医として、食物アレルギーにも関われるんだ」ということを改めて実感しました。
それ以来、皮膚の症状だけでなく、食べ物や花粉が関係するトラブルにも、より関心を持つようになり、
今では当院でもPFASを含めたアレルギーのスクリーニング検査(採血)を行える体制を整えています。
「果物を食べたあと、なんか口がかゆい…?」
「子どもがフルーツを食べると喉を気にしている…?」
そんなときは、もしかするとPFASの可能性があるかもしれません。
気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談くださいね。
🍑ももこは桃が食べられないけれど、
みなさんが安心して「食べること」を楽しめるよう、
これからもアレルギー診療にも力を入れていきます!